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ゴルフと上手に付き合う身体づくり~症状・疾患別コンディショニング~外反母趾とゴルフ足の痛みだけではない?スイングを支える「足元」の重要性

  • 11 分前
  • 読了時間: 10分

~症状・疾患別コンディショニング~

第2回 外反母趾とゴルフ

足の痛みだけではない?スイングを支える「足元」の重要性


「外反母趾があるけれど、ゴルフは続けても大丈夫?」

「ラウンド後半になると親指のつけ根が痛くなる」

「ゴルフシューズを履くと足が痛い」

このような悩みを抱えているゴルファーも少なくありません。


外反母趾というと、「親指が曲がっているだけ」と思われがちです。


しかし実際には、母趾だけではなく、足部のアーチや前足部の構造、足裏への荷重などにも関係する足の変形です。日本整形外科学会では、母趾が第2趾側へ曲がり、母趾のつけ根が内側へ突出して痛みを生じることが代表的な症状として説明されています。


そしてゴルフでは、身体と地面が接している場所は「足」です。

アドレスからバックスイング、切り返し、インパクト、フィニッシュまで、足元では絶えず荷重の変化が起きています。近年のゴルフ研究でも、足底圧や足圧中心の動きなどの「足と地面の相互作用」が、身体からクラブへ力を伝える過程に関係することが報告されています。


つまり、外反母趾は単なる「足の見た目」の問題ではありません。


足元でどのように身体を支えているのか。

そこまで考えることが、外反母趾と上手に付き合いながらゴルフを続けるためには大切です。


外反母趾とは?


外反母趾は、足の親指である「母趾」が第2趾側へ曲がり、母趾のつけ根が内側へ突出してくる変形です。


突出した部分が靴に当たることで、

  • 母趾のつけ根が痛い

  • 赤くなる

  • 腫れる

  • 靴を履くと痛い

  • 長時間歩くとつらい

といった症状が起こることがあります。



また外反母趾は、母趾だけが単独で曲がっているわけではありません。


足の縦・横のアーチや第1中足骨などを含め、前足部全体の構造が関係しています。日本整形外科学会でも、足部アーチの変化や第1中足骨が内側へ開くことなどが病態として説明されています。


そのため、

「曲がった親指だけを何とかすればいい」

という単純な問題ではありません。


なぜ外反母趾がゴルフに関係するのか?


ゴルフスイングでは、見た目以上に足元が働いています。

アドレスでは両足で身体を支え、バックスイングからダウンスイングにかけて足裏の圧力分布が変化し、フィニッシュでは主にリード側の脚で身体を支えます。


ゴルフにおける足底圧や足圧中心の動きは一定ではなく、スイングの各局面で変化します。足と地面の相互作用が、身体で生み出した力をクラブへ伝える過程に関係することも報告されています。


そこで外反母趾によって、

「この場所に体重を乗せると痛い」

「親指側へ乗りたくない」

という状態になると、身体は無意識に痛みを避けるような立ち方を選ぶ可能性があります。


例えば、母趾側への荷重を避けて外側へ体重を逃がしたり、左右どちらかの脚に頼ったりすることが考えられます。

外反母趾では足底圧分布や歩行時の荷重パターンが異なることが報告されていますが、その特徴には個人差があり、


すべての外反母趾の方が同じ荷重パターンになるわけではありません。

したがって、

「外反母趾だからスイングがこうなる」と決めつけるのではなく、実際にその人がどう立ち、どう荷重しているのかを確認することが重要です。


痛みを避ける動きが、身体全体へ広がることもある


身体には、痛みを避けながら動こうとする性質があります。

例えば右足の親指が痛ければ、無意識に右足の外側へ体重を逃がして立つことがあります。

すると変化するのは足だけではありません。


足元の荷重が変わることで、

足部↓膝↓股関節↓骨盤↓体幹

と、その上にある身体の使い方まで変化する可能性があります。

これは外反母趾が直接スイングエラーを起こす、という意味ではありません。


現在のところ、「外反母趾が特定のゴルフスイングエラーを引き起こす」と断定できる研究は十分ではありません。


ただし、外反母趾では足部の荷重や姿勢制御への影響が報告されており、一方でゴルフでは足圧・重心制御がスイングに関わります。したがって、外反母趾による痛みや荷重の変化が大きい人では、スイング中のバランスにも影響する可能性があると考えるのが適切です。


「親指を鍛える」だけでは不十分


外反母趾があると、

「足の指を鍛えればいい」

「タオルギャザーをすればいい」

と思われることがあります。


足趾を動かす運動は、外反母趾に対する保存的な方法の一つとして用いられています。日本整形外科学会でも、足趾を開く運動や装具、適切な靴の選択などが紹介されています。


しかし、ゴルフを続けるための身体づくりという視点では、親指だけを見るのでは不十分です。

確認したいのは、

  • 足裏のどこに荷重しているのか

  • 足関節が十分に動くのか

  • 片脚で身体を支えられるのか

  • 股関節が安定しているのか

  • 骨盤や体幹をコントロールできるのか

という身体全体の機能です。


足元が不安定になったとき、その上にある身体がどのように補っているのかを見ることが重要です。


ゴルフを続けるために確認したい4つの身体機能



① 足裏の荷重バランス

まず確認したいのが、

「どこで地面を踏んでいるか」

です。

外反母趾があるからといって、必ず母趾側へ荷重できないわけではありません。

反対に、痛みがなくても左右で大きく荷重位置が違う場合もあります。

重要なのは形だけを見るのではなく、

  • かかと

  • 母趾側

  • 小趾側

を使いながら、無理なく身体を支えられているかを確認することです。


② 足関節の可動性

足元の問題を考えるとき、足趾だけではなく足関節も重要です。


足関節が十分に動かないと、スクワットや前傾姿勢、重心移動などで別の場所から動きを補うことがあります。

特にゴルフでは、傾斜地でのアドレスやフィニッシュなど、平らな場所とは異なる足関節のコントロールが必要になります。


そのため、外反母趾の有無だけでなく、

「足首が身体の動きについてこられるか」

を見ることも大切です。


③ 片脚で支えるバランス能力

スイング中は、左右均等に体重を乗せ続けているわけではありません。

身体を回旋させながら荷重位置を変え、最終的にはリード側の脚で身体を受け止めます。ゴルフでは足圧中心の移動がスイングを通して変化することが研究でも確認されています。


そのため、

「片脚になった瞬間に身体が大きく揺れないか」

という評価も重要です。


外反母趾のある人では姿勢安定性の違いが報告された研究もありますが、結果は条件や対象によって一様ではありません。


だからこそ、外反母趾という病名だけで判断せず、実際のバランス能力を確認する必要があります。


④ 股関節と体幹の安定性

足元が不安定だからといって、問題がすべて足にあるとは限りません。


股関節や体幹が十分に身体を支えられなければ、その不足を足元で補おうとすることもあります。

例えば片脚立ちになったときに、

  • 骨盤が大きく傾く

  • 膝が内側へ入る

  • 上半身が大きく傾く

場合、足部だけではなく股関節や体幹の機能も確認する必要があります。


足だけを整えるのではなく、足を身体全体の中で使える状態にする。

これがゴルフでは重要です。


ゴルフシューズ選びも大切

外反母趾がある方にとって、シューズ選びは非常に重要です。


日本整形外科学会では、母趾のつけ根は適度にフィットしつつ、つま先には余裕のある靴が推奨されています。幅が狭く、つま先を圧迫する靴は外反母趾の症状や変形に関わるため注意が必要です。

ゴルフシューズでも、

  • 親指のつけ根が強く圧迫されない

  • つま先が窮屈ではない

  • 靴の中で足が過度に滑らない

  • 長時間履いても痛みが出にくい

といった点を確認したいところです。


「幅広サイズなら何でもいい」というわけではなく、広すぎて足が靴の中で動いてしまうのも望ましくありません。

圧迫しないことと、足を適切に支えることの両方が大切です。


痛みがあるのに我慢してラウンドしない


外反母趾があっても、痛みがなく問題なくゴルフを楽しんでいる方もいます。


一方で、

「18ホール歩くと後半から痛くなる」

「練習では平気だけどラウンドでは痛い」

という方もいます。


この場合、重要なのは痛みを我慢してプレーを続けることではありません。


痛みが出ることで立ち方や歩き方が変われば、身体はさらに別の場所で補おうとします。


痛みが強くなった場合には、

  • 歩行量を調整する

  • シューズの圧迫を確認する

  • プレー後の症状を記録する

  • 痛みを避けた不自然なスイングを続けない

ことも大切です。


このような場合は医療機関へ


外反母趾は、変形があるだけで必ず治療が必要になるわけではありません。

しかし、

  • 靴を履くと強く痛む

  • 靴を脱いでも痛みが続く

  • 歩行そのものがつらい

  • 変形が強くなってきた

  • 日常生活に支障が出ている

場合には、自己判断だけでトレーニングを続けず、整形外科などの医療機関へ相談することが大切です。


日本整形外科学会でも、痛みが強く、靴を履いて歩くことが困難になった場合には手術療法が検討されると説明されています。


外反母趾と上手に付き合うとは、「指を真っすぐにすること」だけではありません


ゴルファーにとって大切なのは、

外反母趾があるか、ないかだけではありません。

その足で、

  • 痛みなく立てるか

  • 地面を感じられるか

  • 左右へスムーズに荷重できるか

  • 片脚で身体を支えられるか

  • 18ホールを通して身体を安定させられるか

を見ることが重要です。


外反母趾があるからといって、必ずゴルフを諦める必要があるわけではありません。


一方で、痛みを我慢しながら無理にプレーを続ける必要もありません。

足の形だけを見るのではなく、「その足をどう使えているのか」を見る。


それが、外反母趾と上手に付き合いながらゴルフを長く楽しむための第一歩です。




美ライトフィットネスでは、外反母趾そのものの診断や治療を行うことはありません。

医療機関での診断や治療方針を踏まえたうえで、

  • 足裏の荷重

  • 足関節の可動域

  • 片脚バランス

  • 膝のコントロール

  • 股関節の安定性

  • 体幹機能

  • ゴルフ動作の中での身体の使い方

などを確認し、足だけに負担を集中させない身体づくりをサポートしています。


ゴルフでは、足は身体と地面をつなぐ大切な場所です。

だからこそ、外反母趾があるときも「親指だけ」を見るのではなく、その上にある膝、股関節、骨盤、体幹まで含めて考えることが大切です。


足元が変われば、身体の支え方も変わります。

自分の身体がどのように地面を使っているのかを知ることが、痛みと上手に付き合いながら、これからもゴルフを楽しむためのヒントになります。



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