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ゴルフと上手に付き合う身体づくり~症状・疾患別コンディショニング~変形性膝関節症とゴルフ、膝だけを守っても不十分?長くプレーするための身体の使い方

  • 2 日前
  • 読了時間: 10分

~症状・疾患別コンディショニング~

第3回 変形性膝関節症とゴルフ

長くプレーするための身体の使い方


「膝が痛くなってから、ラウンドするのが不安になった」

「前半は大丈夫なのに、後半になると膝が痛くなる」

「変形性膝関節症と診断されたけれど、ゴルフは続けたい」


このような悩みを抱えているゴルファーは少なくありません。


変形性膝関節症があるからといって、すべての方がゴルフを諦めなければならないわけではありません。


一方で、

「膝が悪いから、とにかく膝だけを鍛えればいい」

という考え方でも不十分です。

ゴルフでは、足元から股関節、骨盤、体幹まで身体全体を使って、歩く・構える・回る・踏ん張るという動作を何度も繰り返します。


だからこそ重要なのは、

膝そのものだけを見るのではなく、「なぜ膝に負担が集中しているのか」を身体全体から考えることです。


変形性膝関節症とは?



変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨やその周囲の組織に変化が生じ、痛みや腫れ、動かしにくさなどが現れる疾患です。

日本整形外科学会によると、初期では立ち上がりや歩き始めなど「動き始め」に痛みを感じることが多く、進行すると階段昇降や歩行がつらくなり、さらに進行すると膝を十分に伸ばしにくくなったり、安静時にも痛みが出たりすることがあります。


症状は人によって大きく異なります。

  • 歩き始めだけ痛い

  • 階段の下りがつらい

  • 膝が完全に伸びない

  • 曲げると痛い

  • ラウンド後に膝が腫れる

  • 長時間歩くと痛みが強くなる

など、その現れ方はさまざまです。


そのため、レントゲン上の変形だけで「ゴルフができる・できない」を判断するのではなく、現在の痛みや腫れ、可動域、筋力、歩行能力などを総合的に確認することが大切です。


ゴルフでは「歩く」だけでなく、膝に回旋や荷重が加わる


ゴルフというと、身体を大きく回すスポーツというイメージがあります。

しかし、膝から考えると、

  • 歩く

  • 傾斜を上り下りする

  • 前傾姿勢で構える

  • 地面を踏む

  • 身体を回旋させる

  • フィニッシュで片脚側へ体重を乗せる

といった動作を長時間繰り返すスポーツでもあります。


特にスイングでは、左右の膝へ均等に力が加わるわけではありません。

ダウンスイングからインパクトにかけて身体が目標方向へ移動し、フィニッシュではリード側の脚で身体を受け止める必要があります。


少人数のプロ男性ゴルファーを調べた研究では、スイング中のリード側膝には歩行時より大きな関節負荷が生じる場面があることが報告されています。ただし、この研究は変形性膝関節症の方そのものを対象としたものではないため、「ゴルフが膝関節症を悪化させる」と単純に結論づけることはできません。


重要なのは、

膝に負担がかかるからゴルフをやめることではなく、どのような身体の使い方で膝への負担が増えているのかを考えることです。


「18ホール歩ける身体」もゴルフの能力です


練習場では問題ないのに、

「コースに行くと後半から膝が痛くなる」

という方もいます。


これは不思議なことではありません。

練習場では同じ場所からボールを打ちますが、ラウンドでは、

  • 長時間歩く

  • 坂道を上る

  • 下り坂を歩く

  • 傾斜地で構える

  • バンカーへ入る

  • カートへ乗り降りする

といった動作を繰り返します。


つまり、ゴルフに必要なのは「スイングできる身体」だけではありません。

長時間、自分の身体を支え続けられる能力もゴルフのパフォーマンスの一部です。


前半は問題なくても、脚が疲れてくると膝や股関節のコントロールが崩れ、歩き方やスイング中の荷重にも変化が起こることがあります。

「スイングすると痛い」のではなく、すでに歩行や傾斜によって疲労した状態でスイングするから痛みが出るケースも考える必要があります。


膝が痛いと、身体は無意識に「かばう」


人間の身体は痛みがあると、その場所への負担を減らそうとします。

例えば右膝が痛ければ、

  • 右脚へ十分に体重を乗せない

  • 左脚へ体重を逃がす

  • 膝を曲げずに歩く

  • 上半身を傾けてバランスを取る

といった動きが無意識に起こることがあります。

これは身体を守るための自然な反応です。


しかし、その状態が長く続けば、今度は反対側の膝や股関節、腰など別の場所へ負担が移ることがあります。


つまり、

膝の痛み↓痛みを避ける動き↓歩き方・荷重の変化↓股関節や骨盤の動きが変化↓スイングにも影響

という流れが起こる可能性があります。


だからこそ、痛い膝だけを見るのではなく、身体全体の動きを確認する必要があります。


「膝が痛い=膝が弱い」とは限らない

膝痛があると、

「太ももの筋肉が弱いから鍛えましょう」

と言われることがあります。


確かに、大腿四頭筋など膝周囲の筋力を保つことは重要です。


日本整形外科学会でも、変形性膝関節症に対して大腿四頭筋の強化や関節可動域を改善する運動療法が行われるとしています。


また、運動療法について複数の研究をまとめたシステマティックレビューでも、適切な運動は変形性膝関節症の痛みや筋力、身体機能の改善に役立つことが示されています。


しかし、ゴルフを続けるための身体づくりでは、それだけではありません。

膝は、

足部と股関節の間にある関節

です。


つまり、足首が動かなければ膝が補い、股関節が使えなければ膝が補うことがあります。

膝だけを強くするのではなく、


膝が必要以上に頑張らなくてもいい身体をつくる

という視点が重要です。


ゴルフを続けるために確認したい4つの身体機能


① 足関節の可動性

しゃがむ、歩く、傾斜に対応するといった動作では、足関節の動きが必要です。

足首が硬い状態で身体を前へ移動しようとすると、膝や股関節など別の場所で動きを補うことがあります。

特にゴルフ場では平地だけではありません。


つま先上がり、つま先下がり、左足上がり、左足下がりなど、さまざまな傾斜があります。

そのため、

「膝が痛いから膝を見る」だけでなく、「足首がきちんと動いているか」

を確認することも重要です。


② 股関節の可動性と臀部の筋力

ゴルフスイングで骨盤を回旋させるためには、股関節が重要です。

股関節が十分に動かない場合、その不足を膝や腰で補うことがあります。


また、臀部の筋肉には骨盤や大腿部を安定させる役割があります。

片脚で身体を支えたときに股関節が安定しなければ、

  • 膝が内側へ入る

  • 骨盤が大きく傾く

  • 上半身が横へ流れる

といった代償が起こる場合があります。

膝を守るためにも、股関節は非常に重要な場所なのです。


③ 膝の曲げ伸ばしとコントロール

変形性膝関節症では、

「筋力があるか」

だけではなく、

その筋力を動きの中で使えるか

を見ることが重要です。

例えばスクワットをしたとき、

  • 膝が大きく内側へ入らないか

  • 左右で体重のかけ方が違わないか

  • 痛い側を避けていないか

  • 股関節と膝を一緒に使えているか

などを確認します。

強い筋肉があっても、動作の中で膝をコントロールできなければ、その能力をゴルフに活かすことはできません。


④ 片脚で支える能力と下半身の持久力

ゴルフでは、スイング中に左右の脚への荷重が変化します。

フィニッシュではリード側の脚で身体を支える必要があります。


さらにラウンドでは、それを何度も繰り返します。

そのため、

1回立てるかではなく、疲れてきても安定して支えられるか

という視点が重要です。


片脚立ち、ステップ動作、スクワットなどを通して、

  • 足部

  • 股関節

  • 骨盤

  • 体幹

が連動して身体を支えられるか確認していきます。


ラウンド中は「痛くなるまで頑張る」必要はありません


「せっかくゴルフ場に来たから最後まで回りたい」

という気持ちはよく分かります。


しかし、痛みが強くなっている状態で無理にプレーを続けると、身体はさらに痛い側をかばうようになります。

その結果、スイングそのものも変わってしまいます。


膝に不安がある方は、

  • カートを適切に利用する

  • 移動量を調整する

  • 長い待ち時間では立ち続けない

  • 痛みが増える傾斜では無理をしない

  • フルスイングだけにこだわらない

といった工夫も大切です。


ゴルフと上手に付き合うとは、「無理して18ホール耐えること」ではありません。


次のラウンドも楽しめる状態で終えることも、長くゴルフを続けるためには重要です。


ラウンド前は「膝だけ」を準備しない


ウォーミングアップでも、膝だけを曲げ伸ばしすれば十分というわけではありません。


例えば、

  1. 足関節を動かす

  2. 股関節を曲げ伸ばしする

  3. 臀部を働かせる

  4. 軽いスクワットなどで脚全体を使う

  5. 小さな振り幅からスイングを始める

といったように、足元から股関節まで身体全体を準備します。


その日の膝の状態を確認しながら、徐々に身体を動かしていくことが大切です。



このような場合は医療機関へ



変形性膝関節症があるからといって、少しでも痛みがあれば運動禁止というわけではありません。

一方で、

  • 膝が大きく腫れている

  • 急に痛みが強くなった

  • 膝に力が入らず歩くことが難しい

  • 膝が伸びない、曲がらない状態が強くなった

  • 安静にしていても強い痛みが続く

といった場合には、自己判断でトレーニングを続けず、整形外科などの医療機関で状態を確認することが大切です。


変形性膝関節症の診断では、症状や関節可動域、腫れ、脚の変形などを確認し、必要に応じてX線やMRIなどの検査が行われます。


変形性膝関節症と上手に付き合うとは


変形性膝関節症と診断されると、

「もうゴルフはできないのでは?」

と考えてしまうかもしれません。


しかし、大切なのは病名だけを見ることではありません。


確認したいのは、

  • 今どのくらい歩けるのか

  • どの動作で痛みが出るのか

  • 足首や股関節は動いているのか

  • 片脚で身体を支えられるのか

  • ラウンド後半まで姿勢を保てるのか

という「現在の身体機能」です。


膝を守るために、膝だけを見るのではない。


これはゴルフを長く続けるうえで、とても重要な考え方です。


美ライトフィットネスでは、変形性膝関節症そのものの診断や治療を行うことはありません。

医療機関での診断や運動上の注意点を踏まえたうえで、

  • 足関節の可動域

  • 膝関節の動き

  • 股関節の可動性

  • 臀部・下肢の筋力

  • 片脚バランス

  • スクワットなどでの膝のコントロール

  • ゴルフ動作における荷重や代償動作

などを確認し、膝だけに負担を集中させない身体づくりをサポートしています。


ゴルフを続けるために必要なのは、

「膝を使わない身体」ではありません。


足元、膝、股関節、骨盤、体幹がそれぞれ役割を分担し、膝だけが頑張りすぎない身体をつくること。

それが、変形性膝関節症と上手に付き合いながら、これからもゴルフを楽しむための第一歩です。


まずは、

あなたの身体がゴルフに必要な動きを備えているかどうか。

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